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スペイン・ビルバオの地下鉄

建築立市、ビルバオの地下鉄、メトロ・ビルバオIndautxu駅



プレキャストコンクリートで造られた大きなヴォールトで駅空間を確保したデザインは各駅共通。
ハイテックな表現で著名な英国人、ノーマンフォスター卿の設計。

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改札、出札階はヴォールトから吊り込まれる。

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改札階からプラットホームを見下ろす。正面に見える金属棒がヴォールトから改札階を吊るす制振ダンパーが組み込まれたブラケット。これに類する機械部品のデザインにもぬかりなく、それがフォスターのハイテック建築の評価をさらに高める。

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車両もフォスターのデザインによるモダンなもの。

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車両インテリア

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地上に口を開ける出入り口


メトロ・ビルバオの公式ホームページ





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  1. 2007/02/27(火) 12:01:01|
  2. 交通
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スペイン・ビルバオ ビルバオ・ソンディカ空港

ビルバオは古くからスペイン・バスク地方の工業都市として栄えたが、産業構造の変化で衰退、相当荒れた都市に落ちぶれていたらしい。そのビルバオを復活させたのが建築デザインである。市を挙げて、街を世界の現代建築で埋めようという施策を実行した。
ニューヨーク、グッゲンハイム美術館はグッゲンハイム卿が巨匠フランク・ロイド・ライトに依頼して建設した建築そのものだけでも今なお高く評価される美術館。そのグッゲンハイム財団がヨーロッパにおける分館として建設したのがグッゲンハイム美術館・ビルバオである。アメリカの前衛建築家フランク・O・ゲーリーを起用した奇怪なそのフォルムはビルバオの「建築立市」を象徴し、その後、地下鉄駅を香港チェック・ラップ・コク空港やロンドン・スタンステッド空港をデザインしたノーマン・フォスターが、そして市の中央を流れるネルビオン川にかかる橋梁をサンティアゴ・カラトラーバがデザイン、どんどんと整備が進んで行った。そして、市の空の玄関となる新空港を建設するにあたって起用されたのもまた、カラトラーバだった。



ターミナルエアサイドの搭乗口付近。上部は太い鉄骨で持ち上げられたガラス塔になっていて、そこから明るい日差しがターミナル全体に溢れる。


カラトラーバはもともと建築家ではなく、土木工学のエンジニアである。本来、橋梁やトンネルなど、土木分野の構造物を設計するのが職能。しかし、ヨーロッパの土木構造物は概して美しい。特に造形分野の専門家でなくとも、形を司ることについての心構えがあらかじめ備わっているかのようだ。
カラトラーバはそんなヨーロッパのエンジニアの中でも極めて突出した存在。だから現在も橋梁などの土木構造物を手がけながら、地元スペインにとどまらずヨーロッパやアメリカなど世界中で駅舎や美術館など多くの公共建築をデザインしている。


2000年に新空港として開港したビルバオ・ソンディカ空港は大空港ではない。ヨーロッパ域内線のみが発着する典型的な地方空港である。出発階を上階に、到着階を下階においたこじんまりとしたターミナルとターミナルを中心に左右に延びるわずかな搭乗ゲートが並ぶコンコースから構成されるレイアウトは目新しいものではない。しかし、優秀なエンジニアだけが構築し得るこの空間は世界でただ、ここだけである。


まず、ターミナル下階は鉄筋コンクリートで作られる。ただし、垂直な柱はただの1本もない。すべてアーチ状に曲げられた梁が上階を支える。カーブサイドの到着旅客用の車寄せなどは、アーチですらなく、「キャンチレバー」と呼ばれる片持ち(一方しか地面に接しない)梁で、上階の車寄せを支える。ターミナル上階も同様、垂直、水平な柱、梁は一切見当たらない。こちらは下階から延びたたった1本の鉄筋コンクリートの大アーチとエアサイド中央の鉄筋コンクリートの土台に架けられたこれもまたすべて曲線を描く鉄骨アーチで大空間を覆う。大アーチが地面に接するのはカーブサイド側の2点。しかもこのアーチは地面に対してエアサイドに向かってねじって建ち、これに架けられたはずの鉄骨アーチでひっぱってもらって建っている。屋根を覆う鉄骨が実はこの大アーチを引っ張り、支えているといういわば巨大なやじろべいのようにしてこのターミナル全体ができあがっているのだ。


さらに、中央の土台からはエアサイドに向かって鋭く反り返ったくちばしのような鉄骨のタワーが立ち上がり、外観上のポイントとなるだけでなく、タワーによって生じた屋根面とのギャップが巨大なハイサイドウインドウとなってターミナルに自然光を溢れさせる。複雑で自由奔放な形状の鉄筋コンクリートと鉄骨。見るだけで美しいすべての部材は互いに支えあう力をその内に秘めてもいる。

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ターミナルカーブサイドのチケッティング、チェックインロビー。太い鉄筋コンクリートに支持されたカーブを描く無数の鉄骨材で大空間を覆う。


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ターミナル下階は到着ロビー。これはその中央部のバゲージクレイム。上階を支えるのはここでも柱ではなく、鉄筋コンクリート製のアーチだ。

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カーブサイドから見たターミナルの外観。大きく羽根を広げた怪鳥のイメージか。右側がエアサイドに飛び出すくちばしのようなガラス塔。



エプロンに向かってガラス面が連続するコンコースもまたすばらしい彫刻を見ているかのようだ。
上部をエプロンに向かって大きく倒した広大なガラス面を支えるのはコンコース反対側から延びる下階のコンクリートに緊結された鉄骨の片持ち梁。それがコンコース全幅に渡って連なる。ここでもターミナル同様にやじろべえが並んでいるのだ。

5.concourse.jpg

出発階コンコース。左側のエプロンに向かって斜めに倒れこもうとするガラス面を右側から延びる鉄骨の片持ち梁が引き戻す。

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搭乗口は到着階と同じコンコース下階。これは出発階から搭乗口へ降りるスロープ。すべての部材が斜めなのにもかかわらず、スロープでは床まで斜めになるので平衡感覚を失いそうになる。


さらにコンコース中央上部に置かれるエアポート・コントロールセンターはエプロンおよび滑走路をすべて見渡せる位置にある。このセンターはコンコースのやじろべえの頂上からぶら下げられるのだ。やじろべえで建築全体を構成するだけでも複雑極まりない構造計算を強いられるはずだが、そのやじろべえからこれだけの重量物をぶら下げるなんて普通の建築家では発想しえないだろう。


4.eplon_view..jpg

エプロンから見たエアサイドの外観。ターミナル中央のガラス塔はエアサイドに突き出す。連続するガラス面に宙吊りにされたコントロールセンターが、その下にはPBBが見える。


搭乗橋はコンコース側に鉄骨製の片持ち梁を設け、これが側壁を兼ねる。航空機側にはもちろん支柱があってその先は通常のPBB(パッセンジャー・ボーディング・ブリッジ)ではあるが、固定部分についてはそれ全体がカラトラーバお得意の文字通り橋梁を形作っているのだ。その床は片持ち梁から吊り下げられる力を受けるために、まるで日本のたいこ橋のようにアーチ状に盛り上がっているため歩くのに少々躊躇してしまうが、それもまた、たいこ橋の醍醐味だと言うものだろう。

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PBB内部。整然と並ぶ屋根部の構造体とそこから吊り下げられる床。力のかかり具合をここでも明確に見せる。


果たしてコンコルドは空気力学の粋を集めて完成された。では、彫刻家にとても早そうな飛行機を造形せよと命じても似た形を創造するかもしれない。カラトラーバというエンジニアが構造力学のあらゆる手法を駆使してデザインした怪鳥のくちばしのようにそびえる中央のガラス塔から羽のように優雅に延びる大屋根は、空力の極であるコンコルドがその美しい肢体を得たように、本来、造形を司る建築家の作品にも勝る美しさをもっている。この作品はコンコルドと同じく、エンジニアが生んだ彫刻である。
  1. 2007/02/23(金) 17:30:05|
  2. 空港
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大阪市営地下鉄御堂筋線心斎橋駅のペンダント照明

東京地下鉄上野ー浅草間4駅に次いで昭和8年開通した大阪地下鉄の梅田ー心斎橋間の4駅は、地下浅い東京に対して御堂筋の地下深く、厳かなボールト天井をもつ立派な駅舎が設けられた。
そもそも、大阪市の中央部を南北に貫く、4列のいちょう並木をもった御堂筋が先進的。その地下に作られた地下鉄も戦前の商都の繁栄を誇示するかのように将来の利用者増を見越した先進的な設計だった。
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心斎橋駅のボールト天井。ボールトの底に並ぶのが蛍光灯を斜めに円環状に並べた照明器具。

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照明器具の詳細。

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乗降の際には吹き抜けに設けられた階段を上り下りするので、改札階からは正面にこの優雅な照明器具を臨むことができる。
  1. 2007/02/19(月) 11:23:23|
  2. 交通
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ロッテルダムの芸術センター・クンストハル

レム・コールハースは変わった建築家である。
AAスクール(ロンドンの建築大学)に入学するまではジャーナリスト、脚本家として活躍していた。
70年代から建築界ではOMAという彼の事務所名での作品が著名となる。
ただし、その作品は、現実の建築作品ではなく、「錯乱のニューヨーク」という建築コンセプトを昇華した画集だった。ぐにゃぐにゃになったエンパイアステートビルとクライスラービルがベッドインしている。巨大プールにたくさんの人間を泳がせて、その推進力でマンハッタンが大西洋を横断する。
荒唐無稽な建築コンセプトの集成。
彼自身、建築、とは現実に地球上に表出する形態ではなく、偶発的に脳裏に描かれる虚像にすぎないと考えていたに違いない。
このクンストハルは1992年の作品。コールハースの実質的なデビュー作、といってもよい。すでに建築界ではポストモダンを過ぎ、脱・構築主義=デコンストラヴィズムの時代。恣意的な直線を多用するスタイルからコールハースの作品もこの一連のムーブメントとして扱われることも多いが、哲学的意図よりも結局造形主義に回収されたデコンストラヴィズムとは一線を画すように思う。


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正面玄関

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側面。斜めに走るスラブは階段教室の床の端部。

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荷捌き場壁面のアップ。

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ロッテルダム川に面する部分には広大なテラスが設けられる。
床はステンレスグレーチング。ほのぼのとした雰囲気などまるっきり、ない。


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教室のガラス面に描かれる顔。


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対向する階段教室には泣き顔が描かれ、それらが重なり合う。


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主展示室。展示用仮設壁はディックブルーナによるミッフィのテーマカラーに塗り分けられる。


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順路に沿って中2階へ昇ると、展示用仮設壁が折り重なって見える。


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階段教室のチェアのアップ。安っぽい、いろんな色の既製品のプラスチック椅子を、ランダムに並べるだけでこんなアートを作り上げる。


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階段教室の一番後ろから椅子の裏側を見る。


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その階段教室の照明器具。蛍光灯を縦に束ねて、天井から吊るすだけのオブジェ。

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分電版はポリカーボネートの透明プレートで覆うだけでアートとなる。


20070213144636.jpg


斜めに手すりを設けた階段。
  1. 2007/02/13(火) 15:00:15|
  2. 美術館・博物館
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